マッドハッターの保存の壺ブログ
ゲーム、小説、オカルトニュースなど気になったことを、日記として徒然に書いていく予定です。
BSマンガ夜話 幽遊白書の感想
昨日のエントリーちょっと言葉足らずな所やわかりにくいところがあったので、多少加筆修正した。
最後に書いた「神の手」とはレフリー(GM)の「神の手」のことではなくて、「偶然の神」の手のことである。

数日前に書いたBSマンガ夜話の感想。
Youtubeに結構動画が上がっていて、その後気になっているマンガ(「サイボーグ009」や「デビルマン」。「ベルセルク」とか「寄生獣」とか)の回を観ていた。
睡眠時間を削って(汗)。
新たな視点に気付かされたりして面白いのだが…多少不満が残る回もある。
いしかわじゅん、岡田斗志夫、夏目房之介三氏にしてこのことにはっきり気付いていないのか?というフラストレーション。
単に時間を限られた生中継であることが理由なのかも知れないし、NHK的な配慮が働いている可能性もあるが…
自分の思い入れのある作品ならなおさらそうなるわけだが、最初に観た「幽遊白書」に関して今回は書いてみようと思う。
ちなみに私はこの作品に関しては、ほとんど思い入れはない(笑)。
それなりに面白くは読んだが・・・

幽☆遊☆白書←ウィキペディア。

↑よりストーリー引用。

ストーリー[編集]
主人公の浦飯幽助が交通事故死するところから始まり、様々な出来事を経て生き返る。そして、霊界探偵として活動する。以下に大まかな分類を示す。★が付いているものは公式名がないため、便宜的に名づけたもの。
霊体編(act.1〜17)★
主人公の浦飯幽助は、車に轢かれそうになっていた子供を助けたが、死んでしまう。しかし、幽助の死は霊界にとって予想外の出来事であったため、幽助は生き返るための試練を受ける。
霊界探偵編(act.18〜51)
予定よりも早く生き返ることができた幽助は、ぼたんと共に妖怪が人間界で起こす悪事を取り締まる霊界探偵として働き始める。
暗黒武術会編(戸愚呂兄弟編)(act.52〜112)
闇世界のビッグイベント「暗黒武術会」のゲストに浦飯幽助・桑原和真・蔵馬・飛影が選ばれた。彼らに拒否権は無く、生き残るためには勝つしか無い。彼らは暗黒武術会会場「首縊島」へと向う。
魔界の扉編(仙水編)(act.113〜153)
蟲寄市近辺で特殊な能力を持つ人間が出現する事件が次々と起こる。それらは魔界と人間界を繋ぐ界境トンネルが開く予兆であった。界境トンネルを完全に開き、人類抹殺を企む元霊界探偵・仙水忍。その計画を阻止するため、仙水に協力する能力者達と、幽助達は死闘を繰り広げる。
魔界統一トーナメント編(魔界編)(act.154〜170)
仙水との戦闘で、妖怪の血を受け継ぐ者(魔族)であることが発覚した幽助は、先祖の雷禅のもとに向かう。雷禅の死後、幽助は魔界の王を決めるトーナメントを開催する。
それぞれの未来(act.171〜175)★
魔界から帰ってきた幽助は探偵業を再開。それぞれの日常を描き、物語は終結する。
TWO SHOTS
蔵馬と飛影が初めて出会った時(幽助と対面する1年前)を描いた短編。


↑のストーリー紹介をお読みいただければわかると思うが、幽霊を扱ったヒューマンドラマ?として始まりやがて妖怪退治ものへと移行。
更にはジャンプお得意のバトルマンガへと変貌する。
最終的には幽助が一人の人間として人間界に生活の場を持つことで物語は完結している。
最初に何処まで構想があったのか?は不明だが、ジャンプマンガとしての通例を考えると、17話まで幽助が幽霊であったと言うことはそれ以降のバトルマンガの構想は初期にはなかったということが伺える。

後期作風が変わったことに関して、BSマンガ夜話でいしかわ氏が「この作者の内面が途中から変わった」「作者が(人間的に)成長した」との言葉を発していたと思うのだが、その理由についてはいしかわ氏も他のコメンテーターも言葉を継がないことにちょっとびっくりした。
基本文字通りいしかわ氏の語ったとおりなのだが、その理由は私には明確に理解出来る。
それはひょっとして(多分)作者の富樫義博氏と私の歳が近かったためなのか?とも少し思ったり。
私がTRPGを始めたのも今思えば「幽遊白書」の連載開始時期と被っていて、そのせいかもしれない。

絵柄のことには今回は触れない。

連載初期の「幽白」は人間視点で描かれていた。
人間界に現れた妖怪を、人間に害なすただのモンスターとして勧善懲悪的に幽助が倒す。
それだけの物語だ。
だが、それだけでは物語に厚みが、ドラマが生まれない。
なので妖怪側にも人間に共感出来る事情のある妖怪を出すことにする。
これが飛影と蔵馬だ。
戦友となった飛影と蔵馬を描くうちに妖怪にも人間性?が存在し互いに理解し合える事が描かれる。
友情である(笑)。
こうなると、本来単なる幽助にやっつけられるだけの敵モンスターであるはずの妖怪全体にもそれが適用されることとなる。
それが暗黒武闘会でそれが描かれることとなる。
とぐろ(面倒なので変換しない)弟は幽助の宿敵でありながら、人間のある種の理想を体現した人物として描かれ、最後には幽助に倒された。

ここで作品としては偏向する。
というか以前から既に作者の頭の中にはあっただろうが…。
妖怪が人間と同等の倫理観を持ち得るなら、妖怪=悪とは言えなくなる。
ここで極端に(そうしないとドラマにならない)人間=悪とするキャラクター元霊界探偵仙水の登場。
単純な善悪が逆転する価値観の相違が扱われる。
幽助の戦う相手は仙水と彼の率いる「テリトリー」と呼ばれる超能力を持つ人間達との対決となる。
彼らは人間を憎んでいる、あるいは人間世界に諦観している。
幽助達は彼らを倒す。
この時、幽助自身が妖怪の末裔(先祖返り)であることが判明する。
既に作者にとっては人間も魔物(妖怪)も同じものとなっている。

仙水との戦いは魔界への門を開く事へと繋がり、魔界とは幽助やその仲間達とはレベルの違う魔物達の跋扈するする世界であった。
幽助、蔵馬、飛影はそれぞれの理由で魔界の覇権を争う戦いに身を投じるが…

その後の魔界統一トーナメント戦は結局全ては描かれなかった。
人間=妖怪とした時点で、既に作者にはこの作品を描く動機が無くなってしまったのだと思う。
それがまだ若かった作者の限界だったのだ。
彼が最初に描くつもりだったことは全て描いてしまい、新たに培われた価値観に…彼の作品はついて行けなかった。

この作品はこの作者の魂の遍歴とでもいうか(笑)、価値観の変遷を見る事が出来る作品でもある。
蛇足かもだが、若い作者が価値観を拡げて結局初期の構想で作品を描き続けることができなくなったのである。

物語の最後には霊界探偵としての幽助達を支援し続けた幽界(秩序を持った魔界の一部)の過激派がクーデターを起こし、それを幽助達が収めるという描写がある。
そして最終話、ラーメン屋の屋台を営んでいる幽助の住む人間界には妖怪がアイドルとしてテレビ番組に出演している。

大風呂敷拡げてたためなくなった、というよりたたむ気がなくなったという印象だ。
もはやこの作者にはこの作品を描く意味が無くなったのだろう。
人間と妖怪が同じメンタリティを持つ存在だと描いてしまったのだから必然的にそうなる。
その上で戦いがある、とするなら…それはもう長~い作品となっただろう。
面白いかどうかは別にして。

勿論話のまとめ方として、というか漫画家の仕事としてこれで良かったとは思わない。
ただ、日常から始まって非日常が始まり、そして日常に帰る、というのは物語の基本でもある。
ってか…それしかできなかったのかな(汗)。
これを型破りに描ければ「デビルマン」や「寄生獣」並みの作品になったかもしれないのに。
いや、ならんか(笑)。
作者の力量というかモチベーション的に。

次作の「レベルE」では異星物とのコミュニケーションを実に面白く描いていて、だからこそ「幽遊白書」をそれなりに評価できる、ってことはあるのだが…この作品は少々こざかしい印象でもある。
前述の「デビルマン」や「寄生獣」と比較すると。
絵柄は随分変わっている。





関連記事

コメント
「幽白」連載当時はまだ20代でしたが、当時はまったく関心のない漫画でした。
ジョジョ4部の裏っかわでやってるなーくらいしか(笑)
飛び飛びで読んでいたのでなんとなくストーリーラインは知ってましたが、いまいち厨二全開でしんどかったのと、後半明らかに絵が荒れていたので、それも相まって、これを商業作品として世に出すのはどうなのかなあ、などと思ってました。今も冨樫作品に対してはそんなに評価は変わってないですね。
ただ、今回のエントリーで仰られているように、作家の力量が作品を底支えするには余りにも足りておらず、そのことに対するもどかしい思いが作家自身にあったのかも知れません。だからと言って、作品を投げてしまうような態度はプロとして言語道断ですが(^_^;)
2016/08/10(水) 12:20:35 | URL | @2c #SFo5/nok[ 編集 ]
Re: タイトルなし
> 「幽白」連載当時はまだ20代でしたが、当時はまったく関心のない漫画でした。
> ジョジョ4部の裏っかわでやってるなーくらいしか(笑)
> 飛び飛びで読んでいたのでなんとなくストーリーラインは知ってましたが、いまいち厨二全開でしんどかったのと、後半明らかに絵が荒れていたので、それも相まって、これを商業作品として世に出すのはどうなのかなあ、などと思ってました。今も冨樫作品に対してはそんなに評価は変わってないですね。
> ただ、今回のエントリーで仰られているように、作家の力量が作品を底支えするには余りにも足りておらず、そのことに対するもどかしい思いが作家自身にあったのかも知れません。だからと言って、作品を投げてしまうような態度はプロとして言語道断ですが(^_^;)

乙です。

仰る通りの作品で(笑)、個人的に「幽白」はどーでもいい作品なのです(笑)
が、これが商業的には成功している作品である事は見落とせないポイントだと思うんですよね。
その人気の源がキャラクターの魅力にあったことは間違いないでしょう。
ってかそれ以外に見るところない…

↑の本文の私の感想が、(作劇上の)キャラクターの内面的成長という点から書いているのもそのためかもしれません。
そしてそれは作者自身の内面的成長というかイデオロギーの確立の過程が反映されている、と書きたかったんですね。
そしてそれが完成された時には、「幽白」は作者にとって描く意味のないものになってしまった、と。
むしろごく初期の「幽白」は作者にとって黒歴史(笑)になったんじゃないかな~、とか思うわけです。
厨二病と書かれていますが、本当に適切だと思います。
中学生ぐらいの価値観で書き始めた作者が、成人し自らの過去の作品を恥だと感じて「もう書きたくない」ってのに近いのじゃないかと。
ジャンプ週刊連載の過酷さとかも関係していると思いますが、主人公達の葛藤(作者本人の葛藤でもある)を絵にすることが出来ず、いきなり番外編的なその後としての結果を描くことしかできなかった。

まー、漫画史に残る作品だとは思いますよ。
大ヒットしたが故に語り草になる作品ではないでしょうか(笑)。
2016/08/10(水) 22:00:17 | URL | マッドハッター #QxbLVY.o[ 編集 ]
コメントの投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
トラックバック URL
トラックバック