マッドハッターの保存の壺ブログ
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ロジャー・ゼラズニイ「影のジャック」紹介・感想01
「影のジャック(JACK OF SHADOWS)」(ロジャー・ゼラズニイ著 荒俣宏訳 サンリオSF文庫 1980年初版)を読み直したので、その紹介・感想。

ロジャー・ゼラズニイはSFと神話の融合を得意とする作家として知られているが、パルプ風味のヒロイックファンタジー「ディルビシュ」シリーズや、SFとヒロイックファンタジーとの融合を試みた「真世界アンバー」シリーズといったファンタジー系作品も一時期意欲的に発表していた。
二つの世界の取り替えっ子を描いたパラレルワールド物「魔性の子」なんて作品もある。
これは現代地球人のエンジニアの息子とファンタジー世界の魔王の遺児が「取り替えっ子」される物語。
原題は「CHANGELING」。

「影のジャック」もまたSFとファンタジーとの融合を試みた作品の一つである。
基本、善玉?であるディルビシュや、「魔性の子」のポルと異なり、ジャックは欲望のままに行動する暗黒界の悪党として描かれる。
「アンバー」シリーズの主人公コーウィンも自己保身や目的のためならば躊躇無く人を殺めるキャラクターであったが…ジャックはそれ以上だ^^
たった一人で全世界を敵として戦うダークヒーロー。
それが「影のジャック」である。

以下あらすじを…と思ったのだが、あらすじだけ書いたのでは「ジャック」世界をご存じない方にはちんぷんかんぷんだと思う(笑)
何せ魔法が存在する一方でコンピューターも存在する。
首を切られても蘇る…そんな世界なのだ。
なので、最初に特異な用語の解説と主なキャラクター説明を書くことにした。

「影のジャック」用語解説

暗黒界・薄明界・陽光界(Darkside,Twilight Land,Daylight)…「ジャック」の舞台となる惑星は自転していない。
常に昼間である陽光界と、常に夜である暗黒界に二分されている。
その両者の間に薄明界が存在する。
暗黒界は魔法に支配された土地、また陽光界は科学に支配された土地である。
薄明界は両者の特徴をもった世界だと考えられる(後述)
陽光界の上空には太陽の熱気を防ぐための「力場スクリーン」が、暗黒界の上空には闇の冷気を遮断する「楯」が設けられている。
「楯」は「エルズの書」に記された暗黒界の七「王」達(パワーズ)によって管理される。

暗黒界人…魔法の素質を持つ。
特に強大な力を持った者は「王」と呼ばれ、また「楯」の保守を担当する七「王」と呼ばれる卓越した魔術師達が存在する(七「王」は固定されているわけではなく、その時々でエルズの書によって指名される)。 
暗黒界人は人間の母親から生まれてこない。
グリヴの堆屍穴と呼ばれる場所で成人の姿のまま生まれる。
彼らは魂を持たないとされている。
魂を持たぬが故に不老であり、事故などで死亡してもグリヴの堆屍穴で肉体を再生し、生前の記憶を保ったまま蘇生する。
ただ、蘇生可能な回数には限度があるようで、回数は個体により異なるようだ。

陽光界人…肉体的には地球人類と同様の存在。
人間の母親から生まれ、成長し老いを重ねてやがて死亡する。
科学を信奉する。

薄明界人…詳細な描写はないが陽光界人と同種の人類である。
魔法を習得した者も存在する。

エルズの書(the Book of Ells)…気まぐれで欲深、力による支配を求める暗黒界人達が、神との「大約」により唯一敬うべきものとされる暗黒界の法。
神の言葉が記された預言書。

グリヴの堆屍穴(Dung Pits of Glyve)…世界の西極に存在する腐臭漂う地下の洞窟であり、暗黒界人達の子宮。
彼らの生死を司る秘密が隠されている。

失われた鍵コルウィニア("The Key That Was Lost," Kolwynia)…かつて暗黒界には現在よりも強力な魔術が存在していた。
しかし、コルウィニアが失われたため、現在ではその高度な魔術を使用できる者はいない。
宿敵達への復讐のため、ジャックは鍵を探し求める。

大機械(The Machine at the Heart of the World)…暗黒界では世界の中心にあって、世界の秩序、因果を支配するとされる機械。
陽光界では否定されている。

「影のジャック」登場人物

影のジャック(Jack of Shadow)…影男、シャドウジャック(Shadowjack)とも呼ばれる暗黒界の盗賊。
自らの野望達成のためには手段を選ばない、札付きの悪党。
影要塞(Shadow Guard)の主、と本人は公言している。
受けた辱めは決して忘れることなく復讐に血道を上げるが、恩義には恩義で返す律儀さも併せ持っている。
通常暗黒界人の魔法は、土地と結びつけられている。
如何に強力な魔術師も、自らのテリトリーを離れると魔法を揮えない。
この世界で唯一、ジャックのみがテリトリーによる制限を受けずに魔法の力を行使できる。
彼の力の源は「影」。
光のあるところ影が出来る。
彼は影に身体を重ねることで、力を引き出し、魔法を操る。
また、影の中を移動することも可能だ。
この特性故か、薄明界にて魔術的能力を垣間見せたこともある。
陽光界では魔法は使えない。
また影が投影されない。
ただ、ジャックの魔力は自らのテリトリー内にいる時の他の魔術師(王達)ほどは強力ではない。
真の闇、真の光だけの世界では影が存在しないため、魔法を使うことは出来ない。

イヴネ(Evene)…ジャックの元恋人。不死大佐の娘で暗黒界人と薄明界人との混血。
魔術の使い手でもある。

こうもり王(Lord of Bats)…暗黒界最強の魔術師であり、七「王」の一人。
逆鱗城(High Dudgeon)の主人
ジャックに魔術書を盗まれたことから、彼を捕らえ処刑したという因縁がある。
ジャックの宿敵。

クァザー(Quazer)、スメージ(Smage)…暗黒界人。こうもり王の部下。

不死大佐(Colonel Who Never Died)…イヴネの父。
一度も死んだことがないことから、不死大佐と呼ばれる。
後に改名する。
ヘルフレーム(工芸品)と引き替えにジャックとイヴネの結婚を許す約束をする。

ドレクハイム男爵(Baron Drekkheim)…グリヴの堆屍穴を含む領地を治める領主。暗黒界人。
グリヴからの帰還を果たしたジャックに通行税として労働奉仕を求める。

ボーシン(Borshin)…こうもり王がホムンクルス実験から生み出した疑似生命体。
こうもり王を恐れ、こうもり王の敵を憎むように条件付けされている。
執拗にジャックを追跡し、襲撃する怪生物。

ロザリー(Rosalie)…薄明界人。老いた魔女。
ジャックのかつての恋人。

モーニングスター(Morningstar)…暗黒界の東の境界、パニクス山の頂で夜明けを待つ怪人物。
神に呪われた男。
頭に角、さらに翼を持つがその下半身は山頂の岩と一体になっている。
彼はそこで世に起こる全てのことを見聞し、未来に起こる出来事も予言する。
ジャックの唯一の友人。


…ここまでで力尽きてしまった…
続きはまた明日以降にでも^^

↓Amazonリンク。

影のジャック (1980年) (サンリオSF文庫)

2012.03.04 人名と特殊な造語?に関して、原文を付記してみました。何かのご参考にでも。
参照したのは↓のサイトさん。

Jack of shadows←ウィキペディア 英語版

Jack of shadows

下のリンク先では「影のジャック」が読めます^^ただし英語。
序文からゼラズニイ自身が書いた文章のようですが、荒俣訳と比較してみると冒頭の一文が若干異なるような…
推敲、出版前の原稿なのかも??
…しかしウィキペディアにはゼラズニイは下書き後、書き直していないと書かれているな^^
よくわかんないです。

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